反対咬合(受け口)
受け口(反対咬合)について
受け口(反対咬合)になる原因
骨格の問題、歯の角度、機能的な問題がある事などが考えられます。
骨格(骨格性)が問題
・平均より、下顎が大きいケース
・下顎は平均的だが、上顎が平均より小さい
・また、上記2つのケースが合わさったもの
などが考えられます。
通常、上顎は脳の成長と似た成長、下顎は1本の長い骨なので、手や足など体の成長と似た成長をします。脳(神経)は6歳程度で90%ちかく成長します。
下顎は女の子で16歳くらいまで、男の子だと18~20歳くらいまで成長します。よって、小学生、中学生くらいの時期ですでに反対咬合になっていると、その後更に悪化する可能性が高くなります。
骨格はご両親、親戚などと似てくるので心当たりがあれば早めの受診をお勧めします。
歯の角度(歯槽性)が問題
正常な噛み方は上の歯が下の歯の上部約1/3程度が被さる状態です。骨格に問題がなくても、歯が生えてくる角度が通常と異なる方向に生えてくると反対咬合になります。
機能性(早期接触)の問題
口を閉じる時、全体の歯が接触する前に一部の歯が当たり、顎の位置がずれて受け口の状態で噛んでしまうことがあります。この状態が続くと、その後も反対咬合を悪化させる原因となることがあります。
受け口(反対咬合)を矯正する際の矯正方法
小児矯正の場合
お子様の場合まだ骨格が未完成なので、成長期に矯正で力をかけてあげることによって改善できることがありますので、気になったら早めに受診されることをお勧めします。
骨格性(骨の成長が原因)の場合
フェイシャルマスク、拡大装置、チンキャップなど
骨の大きさは正常だが、下顎の位置が前方にある場合
フレンケル、オーバーレイなど
歯槽性(骨は正常だが歯の角度が原因)、機能性
マルチブラケット、リンガルアーチなど
成人矯正の場合
成人矯正の場合、骨格性のものは外科矯正になる場合がございますので、場合によっては大学病院をご紹介させていただきます。
※大学の矯正科に所属していた時は外科矯正なども手掛けておりましたので、アドバイスは可能かと思いますので気軽にご相談ください。歯槽性(歯の生える角度が原因)の場合、通常上の歯が下の歯に被さるようにして生えていますが、通常よりも歯が生える角度が異なることによって反対咬合になることがあります。骨格に問題がないケースでは通常のマルチブラケット法などによる矯正治療が可能です。
受け口(反対咬合)の症例
①症例
5歳2ヶ月男児、診断名上顎劣成長を伴う反対咬合。
急速拡大装置、上顎前方けん引装置を用い治療した。経過観察中は、下顎乳前歯抜歯を行い咬合誘導をした。
※上顎骨の劣成長(成長不足)による反対咬合の例
狭い上顎骨を広げて、反対咬合を改善しました。最終的に前歯に隙間はみられますが、今後側方歯群(真ん中らへん)の歯が生えることにより自然と改善されると思われます。引き続き経過をみる必要があります。
主訴 | 下の歯が前にでており反対咬合を治したい |
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治療期間 | 動的治療期間10ヶ月、経過観察期間1年11ヶ月 |
治療費 | 500,000円 |
治療のリスク | 齲蝕の罹患リスクの上昇、矯正力による歯根吸収 |